19、藁打ち唄
漁につかう縄を綯うために、砂浜で藁を叩くときに唄った。子供からお年寄りまで、村中の者が浜に集まって根気強く叩いたそうだ。
●●● ワラ打ち唄(伊勢音頭) ●●●
最もオーソドックスな節の伊勢音頭で、さして特筆することもない節である。
ワラ打ち唄 佐賀関町一尺屋
☆一つエー 出しましょ(ヨイヨイ)
ヤブから笹を(ヨーイヨーイ ソーラセーイ)
つけてくだんせ ヤンレ 短冊を(ソラヨーイヤセー ヨーイヤセ
ヤレ打てナー ソラ打てナー ナーンデーモセー)
☆わしは 親なし 磯辺の千鳥 汐が干りゃ泣く 満つりゃ泣く
☆親の すねをば 離れてみたが 日々の暮らしは 楽じゃない
☆俺は 船なし 磯辺の千鳥 海を眺めて 鳴くばかり
☆わしの 音頭に ハマチや鯛も 浜の藻ぎわで 舞い踊る
☆さあさ 打て打て 縄ないましょよ 沖にゃイワシが 寄せて来る
☆千秋 万歳 思うこと叶うた 一両小判が 舞いを舞う
「アラヨーイヤセー ヨーイヤセ ホイ ホイ ホイ
20、マテ突き唄
大分は磯の食べ物に非常に親しんだ土地で、春先になると、しじみやあさり、はまぐりはもちろん、石蓋、シッタカ、石畳、タバコニシなどたくさんの種類の「にいな」やスベタ、亀の手や陣笠も食卓を彩ってきた。ひじきやカジメの類を拾うこともある。家族でとりに行くこともあれば、浦辺の集落では子供の遊びの傍らにとることもあった。中でもおもしろいのはマテ貝採りで、熊手や鍬で浅く掻き、菱形の穴に塩をひとつまみ落とせばニョキニョキと顔を出すのを、切らないようにスッと引き抜いていくのが愉快だし味もよく、時季になれば今でもマテ採りの姿をよく見かける。
しかしこの採り方は非効率的で、生活の糧として採る場合は全く違う方法で行っていた。舟を出し、たくさんのカギ爪のついた漁具を海底の砂地に下ろしては引き上げるという漁法で、昭和30年代まで行われていた。寒風の中で重い漁具を上げ下げするのは非常に骨の折れる仕事だったという。半農半漁の地域では、農閑期の副業としてはそれなりの儲けだったそうだが重労働なので「漁師のクドロ(苦労)」と言われた由。
●●● マテ突き唄 その1 ●●●
マテ突きの作業の傍らに唄われた節である。ゆったりとしたテンポで、陰旋の節で唄われる。3拍子(8分の6拍子)に近いリズムが独特で、国東半島の俚謡としては姫島の盆踊り唄と並んで最もよく知られている。国東、安岐、大田、田染、国見辺りの盆口説のうち、「六調子」「杵築踊り」「二つ拍子」「豊前踊り」も「マテ突き唄」と同じく3拍子に近いリズムで唄われているが、他地域には全く見られない。この地方独特のリズム感である。実際に作業に伴って唄われることはなくなったが、昔の生活を思い出させる唄、ふるさとの唄として大切に唄い継がれている。
マテ突き唄 国東町北江
☆アリャ嫌じゃかかさんヨイ
マテ突きゃ嫌じゃヨイ(アリャドコイショードコイショ)
アリャ色も黒うなりゃ腰ゃかがむヨーイ
(アリャヨイコラヨーイヨーイヨーイ)
☆豊後北江のマテ突き音頭 あとが続けば皆勇む
☆寒い北風 冷たいあなじ 吹いて温いのがまじの風
※あなじ=冬に吹く北西の風 まじ=南風、南東の風
●●● マテ突き唄 その2 ●●●
こちらの唄い方は、3拍子の節を早間にして2拍子に整えたものである。実際に作業をしながら唄うにはテンポが速すぎる。おそらく作業から離れて、生活の中で口ずさまれたものなのだろう。これをさらに編曲し伴奏をつけたものが昭和40年代以降に数回レコード化されステージ民謡としても唄われるようになった。そのため民謡愛好者の中ではこちらの方が普及している。
マテ突き唄 国東町北江
☆アリャいやじゃかかさんヨイ マテ突きゃ嫌じゃヨイ
アリャ色も黒うなりゃ腰ゃかがむ
コリャサッサノヤレコノヨーイヨーイヨーイ
☆豊後北江の突き音頭 あとが続けば皆勇む
☆泣いてくれるな出船の時は 烏鳴きでも気にかかる
21、エビ打ち唄
長洲で盛んに生産されている「カチ海老」の殻を剥ぐ作業のときに唄われた。従業者は作業小屋(エビシャ)に集まって、干し上げたエビを木槌でトントントンと素早く叩き続け、カラを外していく。たいへん根気のいる作業だったので、気晴らしに唄った。カチ海老は県内外で消費されるばかりか、大陸までも運ばれ中華料理の材料に重宝されたので、網元や「エビシャ」の親方は大変に潤ったという。特に戦前は「カチ」が「勝ち」に通じるためゲン担ぎに喜ばれ、最も景気のよかった頃には長洲だけでは作業が追い付かず、美濃崎(杵築)でもカチ海老の生産を行っていたとのことである。長洲から来た「親方」が現地の漁師の妻や娘を期間雇用していたそうで、実際に美濃崎で「エビ打ち」をしたことのある方に尋ねてみたところ、美濃崎ではエビ打ちをしながら唄うことはなかったとのことだ。
●●● エビ打ち唄 ●●●
エビ打ち唄 宇佐市長洲
☆ヤーレ 打てど叩けどこの海老ゃはげぬヨ(打瀬のノーヤレ 涙海老ヨ)
打瀬の 打瀬のこれがヨ(打瀬のノーヤレ涙海老ヨ)
※打瀬=打瀬船
☆鳥も通わぬ玄界灘は(ヤレそじゃ 通うて来る)
ヤレそじゃ そじゃそじゃそれが(ヤレそじゃ 通うて来る)
☆風呂屋の看板にゃシャッチョコバイと書いて(うめうめ 温か焚け)
うめうめ うめうめ熱か(うめうめ 温か焚け)
※シャッチョコバイ=松竹梅
うめうめ=(水で)うめると梅の掛詞
たけたけ=焚けと竹の掛詞
〇ドンドン節などの文句に、風呂屋がどうのこうので梅王松王桜丸の掛詞の替え唄があり、おそらくその文句を知っている人が即興で唄ったものだろう)
たけたけ=焚けと竹の掛詞
〇ドンドン節などの文句に、風呂屋がどうのこうので梅王松王桜丸の掛詞の替え唄があり、おそらくその文句を知っている人が即興で唄ったものだろう)
☆沖の鴎に汐時ゅ問えば(立つ鳥 波に問え)
立つ鳥 立つ鳥 私ゃ(立つ鳥 波に問え)
☆波に問やまた荒瀬に問えと(なければ 波ゃ立たぬ)
なければ なければ荒瀬(なければ 波ゃ立たぬ)
☆波に問うのはいと易けれど(白波ゃ 物言わぬ)
白波ゃ 白波ゃ沖の(白波ゃ 物言わぬ)
☆豊前長洲のエビ打つ音が(ますぞえ 向こうが島)
ますぞえ ますぞえ聞こえ(ますぞえ 向こうが島)
☆船が来たぞえ三ばい連れで(新造が わしが様)
新造が 新造が中の(新造が わしが様)
☆寒の師走も日の六月も(勤めも せにゃならぬ)
勤めも 勤めも辛い(勤めも せにゃならぬ)
☆七つ下がればわしゃ目が見えんど(殺した その咎か)
殺した 殺した鳥を(殺した その咎か)
☆松の葉のよな狭い気を持つな(芭蕉葉の 気を持ちゃれ)
芭蕉葉の 芭蕉葉の広い(芭蕉葉の 気を持ちゃれ)
☆思い出しゃせんか泣きゃせんか殿御(出しゃせぬ 泣きもせぬ)
出しゃせぬ 出しゃせぬ思い(出しゃせぬ 泣きもせぬ)
☆月夜月夜にわしゅ連れ出して(捨てるか 闇の夜に)
捨てるか 捨てるか今は(捨てるか 闇の夜に)
☆エビシャ小屋では色事ぁでけぬ(碁盤で 目が多い)
碁盤で 碁盤で将棋(碁盤で 目が多い)
※エビシャ=カチ海老の作業小屋
将棋碁盤で目が多い=将棋盤や碁盤の目(格子の交叉点)と人の目の掛詞
メモ:長洲で唄われたものは、小刻みに木槌を動かす作業なのでテンポの速い、軽快な唄になっている。下句の頭3字を伏せるのは宇佐地方の俚謡によく見られる特徴で、特にこの唄では、最初伏せて唄っていた3字が返しのところで初めてあらわれるというところに面白味がある。あまり知られていないが、レコード化されたり、ステージ民謡として取り上げられたこともある。ところが三味線等の伴奏をつけたためか、作業唄として唄われたときの威勢のよさや軽やかさが失われてしまい、凡庸な曲になってしまっている。この種の唄を「民謡」として取り上げるときは、下手に三味線や尺八などを加えるよりも、無伴奏か、せいぜい鳴り物だけの伴奏にした方がずっとよいだろう。
22、酒造の唄
各地の酒造で杜氏によって唄われた一連の作業唄。その作業工程には明るくないので詳述は控える。
●●● 酒造の唄 その1 ●●●
高調子に間を詰めて唄い始めて、節尻を引っ張る。「よしこの節」の類と思われる。
米踏み唄 緒方町
☆ハー 今が始まり始まりました(ハヨイヨーイ)
大阪芝居の寄せ太鼓ヨ(それもそうでござる)
☆寒の米踏み寒しゅてならぬ 氷に浮き寝の草もある
☆朝は三時から唄いとはないが 皆御連中の機嫌取る
米洗い唄 日田市
☆ハー 奈良の大仏さんをやっこらやと抱いて(ヨイヨイ)
お乳飲ませた親見たやヨ(飲ませた親見たや ソラヨイヨイのヨイ)
☆あなた百までわしゃ九十九まで
ともに白髪の生えるまで(白髪の生えるまで)
●●● 酒造の唄 その2 ●●●
詳細不明
米とぎ唄 臼杵市津留
☆アラヨイナーヨイナーヨイナー アーヨイヨイ
祝いめでたのネ 若松様よ
枝が(ショイショイ) 栄ゆりゃ葉もしげるヨ
●●● 酒造の唄 その3 ●●●
「木挽き唄」とよく似たような節だが、節を引っ張って細かく揺すりながら唄うので情趣に富んだ印象を受ける。
米すり唄 臼杵市津留
☆お米五升すりゃへこすり破る(ハーショッショコ ショッショコ)
二度とするまや五升米を(ハーショッショコ ショッショコ)
※へこ=褌 するまや=するまい
☆津留の前には瀬が二つある 思い切る瀬と切らぬ瀬と
☆思うて通えば主さんがとこよ 五里も十里も変わりゃせぬ
●●● 酒造の唄 その4 ●●●
詳細不明
もとすり唄 豊後高田市
☆祝いめでたの若松様よ 枝も栄えて葉も茂る ハーギッコンギッコン
☆酒屋蔵子は乞食にゃ劣る 乞食ゃ夜も寝りゃ色もする
●●● 酒造の唄 その5 ●●●
のろまなテンポで、節を長く引っ張って唄う。技巧的な節で、唄い方がなかなか難しい。
そえつき唄 緒方町
☆ヤレー いつもヨー そえばつきゃ(アドーントコイコイ)
お風呂のあがり(ヤレいつもヨー 心が アラなどやかに)
☆酒と いう字は さんずい偏に(つくりゃ 清めの 酉と書く)
そえつき唄 日田市
☆ハー 祝いヨー めでたの(ハーコイコイ)
若松様よ(ハードーントコイコイ) ハヤーレ枝もヨ
栄ゆりゃ(ハーコイコイ) 蔵繁盛(ハードーントコイコイ)
☆鶴が 舞います お蔵の上で 鶴は 御繁盛と 言うて遊ぶ
23、鉱山の唄
県内では鯛生金山、尾平鉱山、木浦鉱山、草本金山、馬上金山などをはじめとして、小さい山も含めるとたくさんの鉱山があった。そうした鉱山で唄われた作業唄で、作業内容によっていろいろな節を唄い分ける。鉱山の作業員は出替わりで人の移動も多く、方々の山で共通の節をもつ唄が唄われていたようだ。
発破のためダイナマイトを詰める穴をあけるときにノミを打ちながら唄った「石刀唄」、水をろくろでくみ上げるときの唄などいろいろある。
●●● 鉱山の唄 その1 ●●●
この種の節は県内はおろか、県外でも方々で唄われたようだ。特に筑豊方面で唄われたものが著名と思われる。節が細かくて情趣に富んでいる。
石刀唄 山国町草本金山
☆様を持つなら川越しにゃ持つな 水に降る雪たまりゃせぬ
(アーチンカポイ チンカポイ)
☆あんた正宗わしゃ錆び刀 あんた切れてもわしゃ切れぬ
☆死んでしまおか髪ゅ切りましょか 髪は伸べもの身は大事
☆添えばわが妻 離るりゃ他人 胸の大事は語られぬ
石刀唄 宇目町木浦鉱山
☆ハーエ 発破かければエー(ハコリャナー ドッコイナート)
キリハが進む 進むキリハでカネが出る(ハコリャナー ドッコイナート)
☆朝から晩まで 叩かにゃならぬ(ハコリャナー ドッコイナート)
叩かにゃ食えぬとかかが言うた(ハチンカン チンカント)
「も一つ負けちょけ かかが言うた ハチンカン チンカント
☆坑夫々々と 見下げてくれな 家に帰れば若旦那
☆妹なるなよ 坑夫さんのかかにゃ 妹だまして姉がなる
「ま一つだまして 姉がなる ハチンカン チンカント
☆かかの丸髷(ハコリャナー ドッコイナート)
鼠がかじる 親父ゃ泣く泣く猫を呼ぶ(ハ三毛来い タマ来い)
☆好きと嫌いが(ハコリャナー ドッコイナート)
一度に来れば 箒立てたり倒したり(ハそうじゃよく言うた 倒したり)
※長っ尻の客を早く返したいときのおまじないとして箒を立てる
☆石刀はカネでも 棒は千草でも 叩かにゃ食われんとかかが言うた
「ハ叩かにゃ下がらん正直穴だよ チンカンチンカン チンカンチンカン
石刀唄 宇目町木浦鉱山
☆ハー 一つ出しましょ藪から笹を
つけてくだんせ短冊を ハチンカンチンカン
☆何と化けたよ三つのサイは かわい殿御を丸裸
☆妹なるなよ木挽きさんのかかにゃ 仲のよい木を挽き分ける
☆堅いようでも女はやわい やわいようでも石ゃ堅い
☆山陽鉄道神戸がもとよ 九州鉄道門司がもと
☆それじゃ主さん行こではないか ここで照る日はよそも照る
☆ここも旅じゃがまた行く先も 旅の先ならここがよい
☆かかの古べこ質屋へ入れて 親父ゃ酒屋で酒を飲む
石刀唄 緒方町尾平鉱山
☆ハーエ 上り下りのヨー 石の目も知らず
鉱夫さんとは名がおかし(アドッコイサ ドッコイサ ヨーヤルナ)
☆朝も早うから カンテラさげて 坑内下がるも親の罰
☆トロッコ押しさんはトロッコの陰で 破れ襦袢の虱とる
●●● 鉱山の唄 その2 ●●●
詳細不明
水引き唄 山国町草本金山
☆草本金山ヨ かねつく音はヨ 聞こえますぞえ守実にヨ
☆あなた鉱夫でわしゃ水引きで 同じ山にて苦労する
☆鉱夫女房にゃなれなれ妹 米の飯食うて楽をする
☆花の草本まわりの山は ここもかしこも金が出る
☆唄じゃ小屋川仕事じゃ吉野 花の草本御所どころ
●●● 鉱山の唄 その3 ●●●
高調子のゆったりとした節で、情趣に富んでいる。これも唄い方が難しい。
フイゴ唄 宇目町木浦鉱山
☆祝いめでたの若松様よ 枝も栄えるヨーヤ 葉も茂る アー ドードー
☆フイゴさすさす居眠りなさる カネの流れる 夢を見た
「アー何でも千銀千銀
☆トコヤ上には二股榎 榎の実ゃならいで カネがなる
※トコヤ=精錬所
ならいで=ならずに
☆トコヤ大工は鬼かな蛇かな 大の鉄の棒を 振り回す
☆錫を見つけた井筒屋さんは 国を富ませる 福の神
☆竹田中川侯は情ある殿よ 年に一度は 駕籠で来る
☆錫は出る出る大平坑に 今日もカネ吹き フイゴ差し
☆錫で名所の木浦の山は 日向豊後の 国境
☆岡のお城と櫓の壁は 錫と銅とで できている
☆行こか延岡 戻ろか岡へ ここが思案の 田近山
☆豊後木浦はカネ吹き名所 竹田中川侯の お抱え鉱
☆鳥が舞う舞うトコヤの上を 鳥じゃないぞえ カネの神
☆新造フイゴにあら皮巻いて さぞやきつかろ 手子の衆は
☆木浦銀山カネ吹く庭に 夏の夜でさせ 霜が降る
☆霜じゃござんせぬ十七八の 恋の涙を 霜とみる
●●● 鉱山の唄 その4 ●●●
近隣で唄われた木挽き唄の転用。
坑夫唄 米水津村
☆ヤーレ 坑夫さんにはヨ どこ見て惚れた
現場帰りの千鳥足 アドコイショ ドコイショ
☆妹なるなよ 坑夫さんの嫁に 山がどんと来りゃ若後家じゃ
☆十日叩いて 一度にドンと あの娘にやる金欲しゅはない
●●● 鉱山の唄 その5 ●●●
詳細不明
鉱石揺り唄 宇目町木浦鉱山
☆ここは豊国 木浦の山よ 嶺に花咲き谷に砂金
「ハー 掘りて尽きせぬ宝の山だよ 千斤 千斤
☆山も良かれや キリハも良かれ 頼む親方なおよかれ
「ハー 千斤かければお金は万両 千斤 千斤
☆呑めや大黒 唄えや恵比寿 間の酌婦は福の神
●●● 鉱山の唄 その6 ●●●
詳細不明
錫吹き唄 緒方町尾平鉱山
☆祝いめでたの若松さまよ(枝も栄える葉もしゅげる)
栄える枝も(枝も栄える葉もしゅげる)
☆栄え栄える千代万世の(金の尽きせぬ尾平山)
尽きせぬ金の(金の尽きせぬ尾平山)
☆トコヤ前には井戸掘り初めて(水は湧かいで金が湧く)
湧かいで水は(水は湧かいで金が湧く)
●●● 鉱山の唄 その7 ●●●
節がわからないが、おそらく流行小唄の転用だろう。
石刀唄 宇目町木浦鉱山
☆ア坑夫さん お酒はいかがと両手をついて
盃ゃ畳の模様じゃない そうじゃよく言うた模様じゃない
☆寒紅梅 雪に閉ざされまだ芽も出らぬ
さぞや鶯待つであろ アリャサ コリャサ ドッコイサ
☆七転び 八起き世界に何くよくよと
牡丹 菰着た冬ごもり ま一つ負けちょけ冬ごもり
●●● 鉱山の唄 その8 ●●●
岡晴夫の唄った「パラオ恋しや」の替唄。気晴らしに唄ったもので、元唄の年代を考えてもそう古いものではない。
鉱夫唄 中津江村鯛生金山
☆山で暮らすなら鯛生におじゃれ 北は矢部郷 南は津江よ
光るカンテラ響くはストパ 金を採るにも鼻唄唄うて
☆山に来るならお乗りはガソリンカー 金の花咲く坑道の中を
躍るエンジンにゃ親しみ湧いて 浮かぶあの娘の愛しの顔が
●●● 鉱山の唄 その9 ●●●
流行小唄「ズンドコ節」の替唄。
鉱夫唄「ズンドコ節」 中津江村鯛生金山
☆金山々々とおっしゃいますな 黄金なくして何できまする
男一匹生まれたからにゃ 来たれ鯛生の金山へ トコズンドコ ズンドコ
☆津江の部落に処女がおれば 蝶々蜻蛉も小鳥とやらや
焼いた魚が踊り出すよ アイスキャンデーで火傷する
☆人生は五十年くよくよするな あくせくしたとて鶏ゃ裸足
落ちて流れて行く身じゃないか ほんに金山はよいところ
●●● 鉱山の唄 その10 ●●●
流行小唄「草津節」の転用。
鉱夫唄「草津節」 中津江村鯛生金山
☆金山よいとこ一度はおいで ドッコイショ
お湯の中にもコリャ 金が光るヨ チョイナチョイナ
☆もしもあなたが金山に来たら 金の茶釜で お茶沸かす
☆草津温泉で治らぬものは 金山に来たなら すぐ治る