新民謡「因島小唄」 唄:久保幸江、霧島昇
〽ハー 瀬戸の内海鏡に代えてヨ 花で化粧する 花で化粧する因島
 「チョイトコラセ ヨイコラセ ほんに因島ヨイコラセ
〽島の娘は真珠の肌で 月もうっとり 月もうっとり一目惚れ
〽瀬戸を一目のみかんの山で 浮世忘れて 浮世忘れて共かせぎ
〽一夜泊まりがついまた一夜 今じゃ嬉しい 今じゃ嬉しい島の人
〽山は星空街には灯り どれが星やら どれが星やら灯りやら
〽暁の入船出船の笛が 結ぶ二人の 結ぶ二人の夢さます
〽船は出てゆく尾道通い 私ゃ白菊 私ゃ白菊君を待つ
〽男度胸も倭寇の裔 むかし忘れぬ むかし忘れぬ心意気
〽ござれ因島日本の名所 田持ち山持ち 田持ち山持ちドック持ち
〽せめて別れも相合傘で 土生の桟橋 土生の桟橋涙雨
〽瀬戸の島数二百と四十 一に因島 一に因島宝島
〽初め逢うたは白滝さまで 噂立ったは 噂立ったは折古浜

新民謡「尾道小唄」 唄:小鈴、友菊/富勇、奴/浅草紅香/島倉千代子
〽私ゃ尾道波止場の生まれヨ 出船入船見て暮らすヨ
 エンヤラホ ギッチャラホ エンヤラホ
〽備後尾道千光寺の桜 上り下りの船に散る
〽櫓櫂重さよ夕凪憎や お里恋しや顔見たや
〽沖の小島に出船は隠れ 瀬戸のお月様わしゃ一人
〽瀬戸の小島に桃咲く頃は 昼は鯛なぎ夜はおぼろ
〽私ゃ備後の尾道生まれ 備後表の出るところ
〽女心と尾道瀬戸は 上りつめたら狭いもの
〽東ゃ大阪西ゃ下関 中の尾道よい港
〽瀬戸はのどかよ尾道沖は 七里七島五里五島
〽四国巡礼に尾道泊り 今朝の遍路の気も鈍る
〽積んだ荷物はその名も高い 備後表に酢と碇
〽またも出てくる尾道なまり そうじゃありゃんせんよごじゃんす

新民謡「瀬戸の舟唄」 唄:南地おせん ※レコード聴き取り
〽船頭可愛や音戸の瀬戸でヨ 一丈五尺の櫓がしわるヨ
 エンヤラホ ギッチャラホ エンヤラホ
〽朱の鳥居に朝日が差して 千鳥啼くかや厳島
〽港女郎衆の紅溶く水は 瀬戸へ流れて鯛染める

新民謡「尾道音頭」 唄:藤本二三吉 ※レコード聴き取り
〽踊り踊れよ尾道音頭(ヨイトセ) 月も輝く 黄金輝く玉の浦 ソレ
 「港尾道ヨイトコリャサ ササよかじゃん踊りゃんしょ
〽鐘が鳴ります千光寺様の 春は霞の 花は霞の時の鐘
〽花の筵に紅鯛そえて 主に土産の 故郷へ土産の船便り
〽錨下ろしてお泊まりしゃんせ 浜は住吉 待てば住吉向島
〽街は栄える築港はできる 日ごと夜ごとの 千艘万艘の整備船

新民謡「尾道港囃子」 唄:虎龍 ※レコード聴き取り
〽花の尾道入船出船(ヨイトサッサ) 港繁昌の 黄金繁昌の色に咲く ソレ
 「尾道ゃよかじゃんよい港 港繁昌でヨイヤサッサ
〽備後表のさざなみ寄せて 瀬戸の春風 香る春風玉浦

新民謡「みなと尾道」 唄:松平晃 ※レコード聴き取り
〽港尾道サイレン汽笛 陸と海との文化をつなぐ
 山の屏風に 瀬戸の絵巻の花どころ
〽瑠璃は東に済法は西に 風に散る散る千光寺桜
 春がきました 備後表の波の上
〽鯛の浜焼き薄紅つけて 港乙女はしなよく育つ
 織ってみせたや 花の筵の恋模様
〽逢うて尾道情けの港 島へ出船の錨を巻けば
 別れまいとの 鐘が鳴ります中空に

新民謡「尾道港メロデイ」 唄:霧島昇 ※レコード聴き取り
〽みなと尾道海から明けて 瀬戸の小島の数ほどの
 山の緑に黄金の波に 船が来る来る逢いに来る
〽備後表か尾道沖は 潮のコバルト青畳
 若い命の歓喜を込めて 春は跳ねます桜鯛
〽桜千光寺尾道乙女 水に霞みの伊達模様
 月もほんのり薄紅つけて 向島から来て照らす
〽並ぶ桟橋四国をつなぐ 今朝の別れの恋の雨
 かたい誓いは錨じゃないが 君の出船をまた繋ぐ

新民謡「娘と船大工」 唄:赤坂小梅・三島一声
〽橋を架けたや音戸の瀬戸へ 通うて行きたや船大工さんよ
 「汐にせかれりゃ橋ゃ流る
〽橋が流れりゃ私も流る 小舟欲しいや船大工さんよ
 「舟も櫓がなきゃ流される
〽橋はせかれる舟ゃ流される 通うて来るなか船大工さんよ
 「命帆にして通うて来よ

新民謡「福山節」 唄:音丸 ※レコード聴き取り
〽備後福山お城の松はヨ 色も嬉しい 主と二人の深緑
〽月もしょんぼり草戸の橋で 流れ見つめて 泣いて明かした夜もござる
〽焦がれ待つぞえ福山入江 こめて曲がろと 胸は一筋帰りゃんせ
〽鞆の島々浮き立つしぶき ましてかわいや 娘島田のなり姿

新民謡「三原小唄」 唄:南地作栄 ※レコード聴き取り
〽三原港よ ソウヨ あの酒のまに 娘蛇結ゃ別れが辛い
 「アラなんでしょ なんでしょ
〽城が浮いたよ あの月の影 うさぎ跳ねろよ娘の心
〽鐘が鳴ったよ あの山寺に 殿御呼ぼうか夢のうち
〽船が着いたと あの娘が言うた 誰を待つのか日傘がまわる
〽暮れた城下に あの花嫁じゃ 浮気すまいぞ娘でないぞ

新民謡「鵜飼小唄」 唄:二葉あき子 ※レコード聴き取り
〽紅い提灯流れを染める 花が咲くよに開くよに
 見たい見ました エー 鵜飼祭りの屋形舟
〽あの子若鮎すてきじゃないか わしもなりたや鵜の鳥に
 姿すんなり ただの一目で胸焦がす
〽あなた篝火わたしは鮎よ 誘い出すのはどちらやら
 あとは知らない 粋な鵜匠さんの腕次第
〽なんで一夜で帰されましょか せめて鮎漬けできるまで
 思い出すよに 持ってお帰りおみやげに

新民謡「呉音頭」 唄:赤坂小梅 ※レコード聞き取り
〽ハー 海は瀬戸内軍港は呉よ 船にゃ朝日の 波にゃ朝日の花が咲く
 「さってもよいよい よい軍港 呉はよいとこ ヨイヤサ
〽工場通いは朝霧夜霧 伊達にゃせぬぞえ 仇にゃせぬぞえ国のため
〽君と中ブラ仲良しこよし 袖にゃネオンの 胸にゃネオンの花あかり
〽踊り囃さにゃ夜も日も明けぬ 空は日の丸 街は日の丸呉音頭

新民謡「呉小唄」 唄:朝居丸子 ※レコード聴き取り
〽街の涼風どこから吹きゃるヨ トコドッコイショ
 呉の軍港のサ トコドッコイショ 波止場から
 「ヤンサノホイ ソリャ潮の流れもいそいそと
〽灰ヶ峰さえ雨降りゃ曇る わしも降られりゃ 気が曇る
〽男滝女滝の二河の滝は 布も晒せば 糸も引く
〽ハンマ打つのにゃ力はいらぬ 君を想えば 軽くなる
〽出船入船振るハンカチに 迷う蝶々が 来てとまる
〽向う江田島この手が届きゃ 便りやりたや 手渡しに
〽二河公園桜の花は 咲くも早いが 散りやすい
〽呉のうるめ島大島小島 かわいかもめの 鳥が鳴く

新民謡「軍港音頭」
〽ハー 呉はナ 呉は朝凪日の丸日和 並ぶ舳先に 菊の御紋の風かおる
 「ソレ船端たたいて ドントサノセ ナーソレソレ ドントサノセ
〽灰が 灰が峰から虹の橋かけて 越えて行きたや 飛んで行きたや江田島へ
〽艦の 艦のラッパに旭が踊る 碑文輝く 勲輝く鯛の宮
〽三味の 三味の音色に軍歌が混じる 水にライトの 街にネオンの渦が巻く

新民謡「広島小唄」
〽広島の イトサ 二葉山から釣竿出して イトサノサ
 誰が釣る気か イトサノサ 気が知れぬ イトサノサ
〽新天地 あれは盛り場夜空の灯 ちょいと命の 洗濯場
〽あれ濡れる 安芸の小富士は裾でも端折れ 江波の遠浅 波だらけ
〽お月様 あまり気が多い愛想が尽きる 七つ川筋 出てのぞく
〽比治山の 咲いた桜に朝日がさして 宇品沖まで 影をひく
〽厳島 朱の鳥居に千鳥が啼いて 夜明け知らせの 潮が引く
〽相生の 端の上から差櫛投げて 苦労しましょと 謎かける

新民謡「広島ぶし」 唄:音丸 ※レコード聴き取り
〽逢えぬその夜は相生橋にヨ 涙こらえて 波に儚い 揺れて儚い月を見る
〽恋の苦労は苦労にならぬ 江波の遠浅 浅い縁が 浮いた縁が気にかかる
〽わしもなりたや宮島千鳥 燃えて身を焼く いとし想いが 様に想いが届くまで

流行歌「広島娘」 唄:二葉あき子
〽可愛いくちびる夢見る瞳 花か蝶々か広島娘
 空は青い 小富士は招く 若き日は楽しや 楽しやスクラム組みましょか
〽モダン好みは靴音軽く ケープなびかせ広島娘
 月は空に ネオンは街に 若き日は嬉しや 嬉しやドライブしましょうか
〽七つ川筋思いは一つ 誰を待つやら人島娘
 薫る青春 微笑む希望 若き日はいとしや いとしや高らに唄いましょ