流行歌「ヨコハマ懐古」 唄:渡辺はま子、霧島昇
〽野毛の山からボンと鳴る鐘に 明けて波止場のあの蒸気船
文明開化の煙がなびく ハマの娘の千鳥がけ
〽粋なマントル山高シャッポ さげたカバンも商館通い
馬車がなければ相乗り車 明日のドンタクどこへ行こう
〽街の盛り場ガス灯が燃えて 夜は牛鍋ヤレ源氏節
レターの横文字忘れた人に かけてやりましょテレグラフ
〽野毛の山からボンと鳴る鐘に 明けて波止場のあの蒸気船
文明開化の煙がなびく ハマは日本の表口
新民謡「軍港小唄」 唄:久龍、稲千代、まり子 ※レコード聴き取り
〽月にゃ猿島大砲が三つ 間を二丁櫓で主ゃ来やる
「船のラッパで夜が明ける 港よいとこ軍港
〽波は白浜みぎわにゃ三笠 空にゃ鴎が逢いに来る
〽吹けよ汐風走れよ帆船 新地安浦灯が入る
新民謡「浦賀船渠音頭」 唄:照香、伊藤久男 ※レコード聴き取り
〽サー 愛宕山から港を見れば(ハー見ればネ)
浦賀ドックの灯が見える 作業の船の(ソレ)
帆柱たたくヨイトサノサ さっと流れた金の星 金の星
〽流す馴染みの新造船が(船が) 晴れて嬉しや引き渡し
別れ惜しむか出船の笛か 遠く響くよ朗らかに 朗らかに
新民謡「城ヶ島の雨」 唄:小唄勝太郎
〽雨は降る降る城ヶ島の磯に 利休鼠の雨が降る
〽雨は真珠か夜明けの霧か それともわたしの忍び泣き
〽舟はゆくゆく通り矢のはなを 濡れて帆上げた主の舟
〽エー 舟は櫓で遣る櫓は唄で遣る 唄は船頭さんの心意気
〽雨は降る振る 日はうす曇る 舟はゆくゆく 帆が霞む
流行歌「夢の城ヶ島」 唄:青葉笙子
〽雨か涙か沖まで曇る 濡れた白帆の アノ後ろ影ヨ
やるせ渚の やるせ渚の城ヶ島
〽燃ゆる思いを椿の花に 見せて引きたい 主の袖
三浦岬の 三浦岬の月の暈
〽夢の逢瀬は数々あれど さめりゃ儚い 影ばかり
誰にこがれて 誰にこがれて泣く千鳥
流行歌「城ヶ島新調」 唄:青葉笙子
〽三浦岬は 名を呼びゃ届くヨ
なぜにあなたは来てくれぬ 涙あふるるヨ 城ヶ島
〽ところ一里と 隔てぬ恋も
翼なければままならぬ 寄せる波さえ 片しぶき
〽せめてなりたや 逢われぬときは
岬通いのあの船に 涙暮らしの 城ヶ島
流行歌「由比ヶ浜夜曲」 唄:青葉笙子 ※レコード聴き取り
〽星降る今宵の由比ヶ浜 波の音聞く横顔の
春は若宮宵桜 逢うて別れた磯に見る
〽鎌倉むすめの愛しさは 静見るよなそんなよな
あつい情けの黒髪に かざす真っ赤な沙羅の花
〽松風涼しや段葛 濡れた瞳に誘われて
上るきざはし八幡宮 灯り消す間に秘めた恋
新民謡「小田原おどり」 唄:小田原芸妓連 ※レコード聴き取り
〽ハー 一度おいでよ(コリャセ) 小田原町へ(ガットネ)
四季の眺めは 四季の眺めは尽きやせぬ
「ガットネ ガットネ ガット ガット ガットネ
〽花の二ノ丸 緑の天守 招く尾花は 招く尾花はお城山
〽堀の桜か 小峰の梅か 映えて旅館の 映えて旅館の藤の花
〽紅の反り橋 三原へ懸けて 呼んでみたさの 呼んでみたさの島娘
〽町じゃ繁盛の 小田原おどり 浜じゃ豊漁の 浜じゃ豊漁の大漁船
〽小田原踊りに 北条様の 石の蛙が 石の蛙が音頭とり
新民謡「小田原小唄」 唄:小田原芸妓連
〽ハー 早瀬早川われても末は 御幸浜辺の 御幸浜辺の夫婦波
「アーどんときた どんとね
〽恋の小田原灯にこがれ 会いに黒潮 会いに黒潮南風
〽酸いは梅干甘いは湯餅 苦い涙は 苦い涙は誰ゆえに
〽社二ノ宮開運守り 桜花漬 桜花漬湯で開く
〽とんとこまないた蒲鉾つくり 心底迷わす 心底迷わす罪つくり
新民謡「平塚小唄」 唄:平塚芸妓連
〽相州平塚(コイナ) つるつるお芋(ホラエ)
一度返して 返して返して 根がほきる
「ほっくりほっくりほっくりよ わら火でほっくり十三里
〽道は平塚 大山詣り 開けておくれよ おくれよおくれよ お花講
〽銅の鳥居に 心願かけて チャラリ裏町 裏町々々 まだ暮れぬ
〽お前火薬廠 飴色火薬 まさかズドンと ズドンとズドンと 来やしまい
〽見ろや春日の 腕骨祭り 足は千鳥の 千鳥の千鳥の 浜おろし
〽誕生池から 飛び出す鳥は 鴨だ鴨だよ 鴨だよ鴨だよ 好きな鴨
〽須賀の西瓜も すぐ花盛り けいなやんべか やんべかやんべか 早嫁に
〽桃に袋を かぶせておいて お主ばかりが ばかりがばかりが 構う気か
〽地曳ゴロ曳 夜焚の網は 雑魚も魚も 魚も魚も ひと網に
〽お前いい気だ 馬入の砂利よ 角の篩で 篩で篩で 丸八分
〽海は遠浅 砂山小松 島の御神火 御神火御神火 見て浴びる
〽塚は平塚 けさかけ松よ 宵はさんさと さんさとさんさと また濡れる
〽花は花水 片岡つづみ 橋の袂で 袂で袂で ぽっと来る
新民謡「平塚音頭」 唄:平塚芸妓連 ※レコード聴き取り
〽白鷺の 白鷺の 飛べば夕日の高麗寺 月になるやら風じゃやら
ヨーイヤヨーイヤヨーイヤナ 月になるやら なるやらなるやら
風じゃやら ヤレコノ ションガエ
〽白鷺の 白鷺の 群れて下り来る諏訪の森 松に来たやら影じゃやら
松に来たやら 来たやら来たやら 影じゃやら
新民謡「ヘッチョイ節」 唄:朝居丸子/曽我直子/小唄勝太郎、三島一声
〽二つ流れもネ 逢瀬の湯本 忍び寄り添い
岩に寄り添い ヘッチョイ鳴く河鹿
「ほんのりほんのり湯の煙 箱根 湯の山 湯の煙
ヘッチョイ ヘッチョイ ヘッチョイナ
〽寝物語の 枕の下を 水も流れる 霧も流れる 塔之沢
〽意気なブロンド ミセスかミスか 色香ほのめく 湯の香ほのめく 宮之下
〽雲に浮寝の 底倉どまり 夢の通い路 君へ通い路 八千代橋
〽藤は紫 瀧白糸よ かかる木の間の かかる谷間の 堂ケ島
〽谷は藍染 紅葉は緋染 木賀は湯もやの なびく湯靄の ぼかし染
〽歌の山彦 湯靄にかすむ 桜吹雪の 花の吹雪の 小涌谷
〽明けの蘆の湖 朝霧分けて 山で鳴く鳴く 谷で鳴く鳴く 閑古鳥
〽強羅初夏 茂山葉山 湯浴み姿に 百合の姿に 風香る
〽招くすすきよ 仙石便り 空に錦の 尾根に錦の 小塚山
〽姥子岩の湯 底まで透ける 月に覗かれ 星に覗かれ 恥ずかしい
〽川は早川 滝津瀬早瀬 水のしぶきは おどる飛沫は 雲となる
〽谷で鶺鴒 広野でゴルフ 尾羽根振り振り クラブ振り振り 日を暮らす
〽胸に思いは 大湧谷よ 君にこがれて 空にこがれて 立つ煙
〽君とドライブ 長尾の峠 崖の桔梗が 憎や桔梗が 投げキッスする
〽燃えるつつじに 蓬萊山の 霧もほのぼの 雲もほのぼの 紅をさす
〽晴の小袖は 千鳥か蝶か 墓も並んで 峰も並んで 二子山
〽道中双六 お関所跡に 咲いて夢見る 昔夢見る 合歓の花
〽瑠璃の蘆の湖 寝ざめの富士が 逆さ姿の 扇姿の 水鏡
〽恋慕宵闇 燈籠流し 胸に火をたく 峰に火をたく 大文字
〽国立公園 世界の箱根 山にほれぼれ 水にほれぼれ 旅心
〽サクラフジヤマ ビュテフル箱根 国のはてまで 海のはてまで 名も高い
新民謡「箱根節」 唄:小永、栄子
〽ハー虹は七色湯靄にかかる 箱根八里を 箱根八里を渡り鳥
「アー山坂そうだね
〽乙女峠の尾花が招く 富士を見初めて 富士を見初めて穂が招く
〽霧の山駕籠山百合添えて 君を偲ぶの 君を偲ぶの箱根草
〽谷の深間に湧く湯のけむり 別れ惜しんで 別れ惜しんで木にからむ
〽二子しぐれる蘆の湖煙る 間のお関所 間のお関所袖の露
〽登るケーブル針金だより 夢に見たよと 夢に見たよと湯の便り
〽思い寄木の箱根のみやげ 恋のからくり 恋のからくり誰が解く
新民謡「宮之下音頭」
〽待つは春風 ヨイサ 梅ヶ枝町に ソリャ ヨイトヨイヤサノ
冬もうぐいす啼きに来る ハヤッサラサ ハヤットサラサ
冬もうぐいす啼きに来る ソラ ヨイトヨイヤサノサ
〽明星岳から 朝日があがりゃ
宮之下から夜は明ける 宮之下から夜は明ける
〽松が岡から 吹く風さえも
女松恋しと吹いて来る 女松恋しと吹いて来る
〽堂ヶ島には 対星館と
並ぶ大和屋軒つづき 並ぶ大和屋軒つづき
〽見ても見飽かぬ 奈良屋の庭は
池の湯にさえ鯉がすむ 池の湯にさえ鯉がすむ
新民謡「湯河原節」 唄:音丸、伊藤久男 ※レコード聴き取り
〽上り下りの 笑顔に笑顔 花がもの言う 花がもの言う桜山
「湯河原 湯どころ よいところ ほんに名どころ よいところ
〽滝は清滝 達磨に不動 しぶき涼しや しぶき涼しや渋うちわ
〽みかんとる手の 鋏の音の 合間々々に 合間々々に鵯の声
新民謡「多摩川音頭」 唄:藤本二三吉/稲田村青年団員
〽囃せ囃せや多摩川音頭 チリヒョトチリヒョトチリヒョトヒョッヒョ
笠は鮎鷹 笠は鮎鷹手はさらり
「月の砧は昔のことよ 今は鮎鷹 チリヒョトヒョッヒョ
〽私ゃ鮎鷹多摩川育ち 水の瀬の瀬を 水の瀬の瀬を見てはやる
〽晒すたづくりさらさら流れ なぜにあの子が なぜにあの子がこう可愛い
〽多摩の登戸六兵衛様よ 富士は六尺 富士は六尺いま盛り
〽夜目にほのりと見たよな娘 梨の花かよ 梨の花かよ白々と
〽桃の花咲きゃ河原が明かる 誰か呼ぶよな 誰か呼ぶよな声もする
〽鮎は鮎でもお許しなけりゃ どうせ白ハヤ こちゃハヤだ
〽袋かけかけホロリと泣いた しかもこなたの しかもこなたの梨山で
〽五宿通いかあの音のよさは 笛は短夜 笛は短夜 夜は一夜
〽五宿帰りだ素っ裸だ川だ ままよ笛吹け ままよ笛吹け徒歩渡れ
〽下へ下れば二子に丸子 上は六社の 上は六社の闇祭り
〽鮎は過ぎてもまた来ておくれ 梨の実りの 梨の実りのよい秋に
〽おいら蠅追い瓢箪ひとつ 雌獅子隠して 雌獅子隠して睨まれた